ガンジス川の激しさを感じたければスーラジクンドを訪れたい。バススタンド近くから川へ降りていく道をたどり、橋を渡れば見えてくる。幅の広い滝であるが、大音響とともに滝壺に落ちていくのはやはり泥水である。規模も高さも特筆するほどではないが、見た目の印象は非常に強い。
滝の上にいくつか巨岩があるが、その上で瞑想するサドゥがたまにいるようだ。瞑想というと静けさが必要とされがちだが、この滝で行う瞑想はまったく違ったものになるだろう。そこで感じるものはまさに自然のエネルギーそのものである。
スーラジクンドあたりから下流側の森、つまりバススタンドから見て対岸側に散歩道が続いている。鬱蒼とした森の中にいくつかの巨岩がある。そのうちの一つは下部に洞窟のような穴がある。実は穴は貫通しており、はいつくばって進むと反対側に出ることが出来る。
洞窟の名はパンダゴパ 。同行したサドゥの話では、約5000年前、マハーバーラタに登場する五兄弟がこの地に隠れたさい、住んでいた場所なのだという。
ところでパンダゴパのゴパは洞窟、パンダは5(兄弟)を意味するパンチが訛ったものだと単純に思っていたが、よく考えると五兄弟はパンドゥー家の一族である。つまり、パンダゴパは五兄弟の洞窟ではなく、パンドゥー家の洞窟(パンドゥーゴパ)という意味かもしれない。
パンダゴパは散歩道の終着点近くにある。ただし目印などもないから少し分かりにくい。また森の中は人気が少ないので女性一人での散策は勧められない。その辺の旅行者を誘うのが無難だ。ガンゴートリーを歩いていると、ガイドが「パンダゴパー往復で100ルピー」などと声をかけてくるが、距離を考えれば50ルピー(約150円)程度が適正料金。
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