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オルチャ(2)巨大寺院のたそがれ
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巨大な寺院の内部はやはり廃墟と見まがう寂れようである。これだけの建築が手付かずに放置されているのが、ある意味、インドの魅力であろう。僕たちは、その中を自由にうろつくことで、流れゆく歴史の時間をじっくりと味わうことができる。 広い堂内に、いくつかのグループが座り込んでいた。地元民ではなく巡礼たちである。この寺院のとなりに今も活動している別の寺院があり、ささやかな聖地となっている。ほとんどの巡礼たちは、お参りが終わればそのまま帰途につくが、一部の少数派がこの大建築にやってくる。
巡礼たちのとなりで優雅に眠りこけている一人の老サドゥーがいた。サドゥーとは、放浪修行者、あるいはヨーガの達人といった人々のことであり、まさにインドの前近代的な特徴を一身にまとった奇人たちでもあるが、そうであるからこそ、この廃墟は彼らにうってつけの場所でもあった。 「兵どもが夢のあと」とはまさしくオルチャの風景に他ならない。 −−−−−−−−−−−−−−−− (関連ページ) オルチャ(1)宮殿廃墟 オルチャ(3)墓園にさす光 オルチャ(4)丘陵を巡る オルチャ(5)人と動物 オルチャ(6)オルチャの美とは
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