ビシュヌ神の聖地バドリナートの手前、約20キロにある大きな街ジョシマート。深い谷間の斜面にへばりつくように街が広がっている。とりたてて何があるというほどでもないが、バドリナート巡礼の行きか帰りに一泊して散歩するにはいいところ。ビシュヌの化身の一つであるナラシンハ(ライオン顔の神様)をまつる寺が、中心街から少し降りた場所にあり、巡礼客で賑わっている。付近は寺街の落ち着いた雰囲気を残している。夕暮れ時に散策するのも楽しい。遠くの険しい山々が旅情を誘う。
ジョシマートはこの地域の中心地でもある。交通の便もよく、さまざまな情報も手に入る。標高がほどほどにあるので、夏は暑くもなく寒くもないといった理想的な環境。ホテルやレストランに困ることもなく、数日滞在しながら旅行計画を練るのも悪くない。数軒のトレッキング会社もあり、ガイドや装備などを調達できる。
主なトレッキングコースとしては、少し上流のゴービンダガートからシク教の聖地ヘームクンドと、その近くの「花の谷」を訪れるルートがある。ただし、トレッキングするなら時期に注意が必要。標高が高いので、オープンがチャールダームより遅くなる。また花の谷のシーズンは雨季である。
またジョシマートからリシケシのあいだには、ガンジス川に関係する五つのプラヤーグ(川と川が合流する聖地)がある。どこも小さな町だが宿はある。ローカルバスで巡ってみるのもおもしろそうだ。その場合は、巡礼シーズン真っ只中の5月6月は避けたほうが無難だろう。ローカルバスがどこもいっぱいになる。標高が低いので、冬でも悪くないかもしれない。
(アクセス)
リシケシからジョシマートはバスで約10時間。さらにバドリナートまではバスで約2時間。シーズン中はひどく込み合うので、前日に旅行会社で座席の予約をしておくのがよい。
(注) ヒマラヤ巡礼についておよびチャールダーム近郊の簡単地図もあわせてご覧ください。
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