ところでアスカと明日香村との関係である。当たり前だが、これで関係があると言ったら詐欺になる。今のところは何も見えないし、関係があるだろうと本気で思っているわけではない。ただ、関係がないという証拠もない。証拠がない限り、否定も出来ない。世界が、どこでどんな風につながっているのかは謎である。ただ、そんなことを言っていてもはじまらないので、アスカと明日香村との共通点を一応書いておく。
アスカの原点は巨岩信仰であると思われる。もちろん、たった三時間の調査ですべてが分かるはずもないが、一応証拠もあるわけだし、否定する要素は少ない。対する奈良の明日香村だが、ここにも謎の巨石がたくさんある。酒船石、亀石、鬼の雪隠、鬼の俎板、そして主役は石舞台古墳。石舞台古墳は非常に有名だが、そのわりにはじつは謎だらけの遺構である。そこにまつられているのが蘇我馬子かどうかも確定していないし、当時、どういった姿をしていたか、あるいはどうやって作ったのかも諸説あるらしい。
明日香村の近くには、さらに不思議な巨岩遺構である「益田の岩舟」もある。何に使っていたのかもまったく謎の遺構だが、そのわりに訪れる人も少ない。アスカのダムダムポーリがまったく注目を受けていないというなら、益田の岩舟も謎のわりには無視されている。インドでも日本でも、あるいは他の国でもそうかもしれないが、本当に大切なものは意外と忘れ去られている。でも、それが悪い、というわけではない。忘れ去られているからこそ、ひょっこりそこを訪れた者に大きな感動を与えてくれる。
巨岩信仰は日本に限らず世界中に存在するが、その意味するところは多くがじつは謎のままである。何故かというと、遺構としては残っていても、リアルな巨岩信仰自体はほとんど死に絶え、忘れ去られてしまっているからだ。