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インドの定食ターリーを極める

インドの定食ターリー

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インドの定食と言えば、ターリーだ。まん丸、あるいは四角い皿にいくつかの敷居があって、それぞれご飯やチャパティー、カレー数種などが盛られる。ターリーはインド中どこに行っても食べることができる。列車の中で、バスの停車するドライブインで…、チャイと並んで、インドの旅にはなくてはならない栄養源だ。

ターリーの語源はお盆である。つまり、あの真ん丸い皿がその起源だ。発祥の地はインド西部グジャラート州(マハーラシュトラ州とも)、アラビア海に面し、古くよりアラブ諸国とも交易が盛んであった地域だ。ターリー皿も、やはりアラブ商人が伝えたものであろう。というのも、インドでは近年まで皿は葉っぱで代用することが多かったのだ。インド南東部のタミルでは、現在もバナナの葉を皿代わりに使うし、一般的に、お寺での食事はやはり葉っぱの皿が多用される。

とはいえ、ターリーはインド中に広まった。南インドでは、ターリーといわずにミールスというが、タミルをのぞけば皿を使うわけだし、まあ、同じようなものだといえるだろう。ちなみに、ネパールではダル・バートという。ダルは豆、バートはご飯を意味する。こちらは四角い皿が一般的だ。

ターリーの味はさまざまである。特に北と南では大きく違う。どちらがうまいかは人それぞれで意見が異なる。個人的な意見では、南は当たりはずれが少ないが、結局よく出来たターリーは北でも南でもうまい(この辺りのことはフォトエッセイ「インド料理の魅力」を参考にしてほしい)。


(写真)南インド・バンガロールで食べたターリー(ミールス)。うまい。

ところで、ターリーの基本はやはりベジタリアンであろうか(「インドベジタリンワールド」を参考)。特にターリーの本場である西インドを中心に、肉入りを探すのは困難になってくる。ただし、比較的大きな鉄道駅などではベジとノンベジの二つが用意されていたりする。鉄道内で注文する場合もたいていはどちらか選べる。肉は一般的にチキンであるが、ネパールのダルバート屋では結構マトンもあったと記憶している。

ターリーの値段は安い。野菜のみなら、普通20ルピー(50円)から高くて40ルピー程度か。肉がつけば、一気に50ルピー程度になってしまう。もちろん日本人には高くないが、一般インド人から見れば高値の花だ。なんといっても、一般インド人の収入が40ルピー程度であるのだから。

ターリーにはあたりはずれがある。デリーの特にメインマーケット、そしてヴァラナシ(ベナレス)の旧市街(ガート近く)が要注意だ。これはまずい、と思えば、それ以上食べないほうが無難だ。多分、それは本当にまずいのだ。


(写真)砂漠地方の素朴なターリー。丸いパンが硬い。

比較的はずれがないと思うのが、鉄道駅や鉄道内、そしてドライブインで食べるものだ。特にドライブインの場合、競合するライバル店が多く、客の運転手もたいていおなじみだ。彼らがまずいところで食べるはずがない。よって、客の身分としては、とにかく運転手と同じものを食べていれば間違いない。

最後に付け加えるが、ターリーは一般的に手で食べるものだ。一部の地域では、頼まなければスプーン(チャムチャ)は出てこない。また、鉄道内で食べられるターリーにもスプーンは普通ついていないし、頼んでもない場合も多い。手で食べられないなら、あらかじめスプーンを用意したほうがいい。






サドゥ 小さなシヴァたち

インドの放浪修行者
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