聖地ガンガーサガールについて少し書く。バススタンドから巡礼たちにまじって海岸を目指す。チャイ屋や食堂なども少しあるから疲れたらその辺で一泊。聖地のすぐ近くにありながら、魚カレーを食べさせる食堂もある。ベンガルをはじめとする東インドではバラモンであっても魚を食べる。その為、西インドや南インドのバラモンから似非バラモンを蔑まれることもあるが、これは昔からの伝統だ。
松林を抜けるとテント村が広がっている。三日、四日の祭りとは思えないほどの規模である。中心はカピル・ムニ寺院、そこからまっすぐに海岸へ抜けていく大通りがガンガーサガールのメインストリートである。
両側には食堂やチャイ屋、土産物屋が軒を並べ、賑やかな雰囲気。大通りから横へ入っていく道が何本もあり、適当に散策すればよい。カピル・ムニ寺院から海岸までは約10分。車は入れないから歩きのみである。
海岸はインド中から集まった巡礼たちで賑わっている。サドゥや訳の分からない流浪者も多くいて、雰囲気はよい。というか僕は好きだ。
海辺では、一心に浅瀬を探っている人々が多数いるが、彼らは巡礼たちが海へ投げ込む小銭を集めているのである。ちょっと金持ち風のおばさん軍団が祈りを始めようものなら、餓鬼風の子供たちがわっと周囲をとりかこみ、小銭を投げ入れるのを今か今かと待ち構える。別に襲い掛かるわけでもないから、なんとも平和な風景である。
朝と夕方の風景が美しいことは言うまでもない。なるべく早起きして、朝日を眺めたい。ガンガーサガールメーラは訪れるのは大変だが、祭り自体は平和的である。ボランティアによる警備もしっかりしており、警察も友好的だ。それに巡礼たちの雰囲気もどこか優しい。あやしげな流浪者がじっと海を眺めていたりするのも哀愁がある。それはやはり、この地が最果てだからだろうか。どこまでも広がる海が、物言わず巡礼たちを包み込んでいる。
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