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ツーリスト向けレストランの罠

ツーリストレストラン

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インドには、外国人用の数多くのレストランがある。それらを総称して、とりあえずツーリストレストランと名付けることにする。これらのレストランは、大抵がその町の旧市街、特に観光名所に近い場所にあり、ホテルやゲストハウスを兼ねているものも多い。ロケーションがすばらしいものが多く、インドには不似合いなビーチパラソルが幾つも風に揺れていたりして、インドの雑踏に疲れた旅行者には、まるでオアシスのように映るかもしれない。


旅行中ぐらいはうまいものが食べたいもの

メニューは総じて大変多く、インド、イタリアン、中華、チベット、イスラエル、タイ、そしてまれに、ジャパニーズと、世界各国の料理が並ぶ。ウエイターやオーナーのおじさんも結構親切で、困ったことに相談に乗ってくれたりする人もいる。旅行者のなかには、旅行そっちのけで、お気に入りのツーリストレストランに入り浸る人も大変多い。まさに、南の国の楽園、と言いたいところだが、僕は気に入らない。というのも、一番の目的である食事が大概値段不相応にまずいからだ。ある程度高いレストランはまだ食べれるが、安いところは気をつけたほうがいい。ほとんど料理としての体裁をとどめていないのでは、というものが平気で出される。もちろんすべてのレストランではない。安くてもおいしい店もある。が、それは決して多くない。

インドにおけるツーリストレストランの起源はネパールにあるのでは、と思っている。ネパールは、インドとは比べ物にならないくらい、料理が貧弱な国だが、多くの旅行者がこの国に集まったことで、ネパール人が切磋琢磨して新たな料理を研究していったという歴史がある。そして、現在は、世界でもっとも安く、おいしい(旅行者用の)食べ物を享受できる国に発展した。カトマンドゥーの旅行者街タメルに行けば、日本と同じ味の日本食がとても安く食べれる店が何軒もある。もちろん、中華、イタリアン何でも来いだ。ことツーリストレストランに関しては、その味はバンコックのカオサン以上かもしれない。そして、インドのツーリストレストランの多くが、ネパールの料理人を雇ったりしてそのノウハウを勉強したはずなのだが、残念ながら、比較にならないぐらいまずい。

インドのツーリストレストランがまずい理由は二つある。一つは、外人相手のぼろい商売だということで手を抜いているのが一つ。そしてもう一つは、インド人にとって、結局インド料理以外の何がうまいのかが分からないという、単純な理由によっている。インド人から言わせると、日本料理は完成された料理とはいえない代物であり、西洋料理も気の抜けたビールのようでしかない。中華はおいしいというインド人はいるが、インドで食べられる中華の99パーセントは中華とはいえない。結局そういう次第だから、インドのツーリストレストランで味を期待するのは難しい。ついでに言うと、インド料理を食べるにしても、この手のレストランはおすすめしない。料理人のレベルが低く、やる気もなく、回転も悪いから素材も古い。また、どうせ外人だから味なんか分からないだろう、といった調子ですぐに手を抜く。万事がそんな調子で、それでも客足が落ちないから、味もサービスも下落の一途をたどっている、というのが、インドツーリストレストランの一般的な実態である。


追記 
ツーリストレストランに頼る旅行者のほとんどがインド料理を苦手としている。でも、そこには多くの誤解があるようだ。インド料理についてはフォトエッセイ「インド料理の魅力」を参考にしてもらえたら、と思う。 あと、カレーを嫌いになる旅行者についてだが、彼らが必ずといって行く、デリーのメインバザール界隈、そしてヴァラナシのガート界隈には、特にまずいツーリストレストラン、およびインド料理店が多い。多くの旅行者が旅のはじめにこんなまずいカレーを食べ、その先入観を抱いたままカレー嫌いになることを思うと、人事ながら非常に残念な気がしてならない。






サドゥ 小さなシヴァたち

インドの放浪修行者
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