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インド舞踊(3)バラタナティヤムその2

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「バラタナティヤムその1」からの続きです。

(九つの感情、ナヴァ・ラサ)

バラタナティヤムに「ヌリッタ」と「ヌリティヤ」という二つの要素が影響していることは前のページですでに書いた。感情豊かな舞踏表現の中にひそむ無機質な表現が、世界最古の舞踏芸術を非常に神秘的なものにしている。とはいえ、その豊かな感情表現もまた、バラタナティヤムの大きな特徴の一つである。

インドの芸術における感情表現を表す言葉に「ナヴァ・ラサ」というものがある。「ナヴァ」は九つを意味し、「ラサ」は感情、情感、おもむき、などを意味する。日本で言われるところの喜怒哀楽を拡大した概念である。以下、紹介する。

(1) シュリンガーラ(恋情)
(2) ハースヤ(笑い・ユーモア)
(3) カルナ(悲しみ)
(4) ラウドラ(怒り)
(5) ヴィーラ(勇敢)
(6) バヤーナカ(恐怖)
(7) ビーバッサ(嫌悪)
(8) アドブタ(驚き)
(9) シャーンタ(平安)

上記の九つの感情を確実に表現することが舞踏家には求められる。表現の中心となるのが顔の表情である。以下、ギャネンドラ・バジパイ氏の写真で紹介する。

※ここの説明はバジパイ氏に確認をとってないので、間違っていたらすいません。


シュリンガーラ(恋情)

ハースヤ(笑い・ユーモア)

カルナ(悲しみ)

ラウドラ(怒り)

ヴィーラ(勇敢)

ビーバッサ(嫌悪)

バヤーナカ(恐怖)

シャーンタ(平安)

(ムドラー、印相)

「印を結ぶ」の「印」であり、日本にあっては、仏像の印相がよく知られている。また、忍者映画等に登場する「九字護身法」などを唱える時の手の動きもまた同様である。密教などに多用される印、つまりムドラーには、特別な力が宿ると考えられる。

インドにおいては、ヒンドゥー緒神の神像にムドラーが見られるほか、修行者サドゥ、とりわけ苦行者系サドゥ(ナガサドゥほか)が積極的にムドラーを生かしたポーズをとりたがる。また、宗教者でなくても、指先によるゼスチャーを多用するインド人は数多く、ときに見惚れるほどだ。インドはまさにムドラーの国である。

バラタナティヤムをはじめとするインド舞踊においてもムドラーは非常に重要視されている。ムドラーは感情の詳細を伝えるだけでなく、舞踊全体を導き、そこに神秘的で大きな力を生み出す役割を果たしる。




(ギャネンドラ・バジパイ氏のプロフィール)

インド古典舞踊家 ギャネンドラ・バジパイ

優れた指導者パドマシュリ・グル・サロジャ・ヴァイディアナタンの指導の下、バラタナティアム古典舞踊タンジョール流の伝統的な訓練を受ける。インド全土、及び海外公演多数。インドTV出演多数。「デリー・ドゥールダルシャン・ケンドラ(デリーテレビジョンセンター)」から
「Graded Artist」を受けている。古典舞踊家としての地位を確立する一方、1971年より後進の指導にもあたり、この神聖な芸術の保存・普及・促進に努めている。また、「バラタナティアムにおける教育システム(Teaching System in Bharatanatyam)」を執筆。2000年9月から「Indira Kan Sangeet Vishwavidyalaya(芸術音楽大学)」、2005年6月からラクノー準大学「Bhatkhande Music Institute」の講師を務め、2006年6月からは、東京のインド大使館併設「インド文化センター」代表として、日本各地で公演、大使館でダンスクラスも開講し、日本でのバラタナティアム普及に尽力している。2007年3月の「世界舞踊際」では最も評価の高い技能賞を授与された。(バジパイ氏関係者からいただきました)

2008年5月2日現在、もっとも近い公演が5月30日に東京、荻窪で行われる。詳細については下記URLからどうぞ。

http://tokyo.kijiji.co.jp/c-Events-events-general--W0QQAdIdZ47905345

(2008年春)








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