「バラタナティヤムその1」からの続きです。
(九つの感情、ナヴァ・ラサ)
バラタナティヤムに「ヌリッタ」と「ヌリティヤ」という二つの要素が影響していることは前のページですでに書いた。感情豊かな舞踏表現の中にひそむ無機質な表現が、世界最古の舞踏芸術を非常に神秘的なものにしている。とはいえ、その豊かな感情表現もまた、バラタナティヤムの大きな特徴の一つである。
インドの芸術における感情表現を表す言葉に「ナヴァ・ラサ」というものがある。「ナヴァ」は九つを意味し、「ラサ」は感情、情感、おもむき、などを意味する。日本で言われるところの喜怒哀楽を拡大した概念である。以下、紹介する。
(1) シュリンガーラ(恋情)
(2) ハースヤ(笑い・ユーモア)
(3) カルナ(悲しみ)
(4) ラウドラ(怒り)
(5) ヴィーラ(勇敢)
(6) バヤーナカ(恐怖)
(7) ビーバッサ(嫌悪)
(8) アドブタ(驚き)
(9) シャーンタ(平安)
上記の九つの感情を確実に表現することが舞踏家には求められる。表現の中心となるのが顔の表情である。以下、ギャネンドラ・バジパイ氏の写真で紹介する。
※ここの説明はバジパイ氏に確認をとってないので、間違っていたらすいません。
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