chaichaiホーム写真で見るカルカッタ>カルカッタ散歩案内
 
カルカッタ散歩案内
 
 

上の写真はカルカッタの玄関口ハウラー橋。対岸にあるハウラー駅からこの橋を渡り、街の中心街へと進入していく。

カルカッタの歩き方を簡単に書いておく。ただし観光名所の話ではなく、雑踏を歩くためのちょっと奇妙な散歩コースについてである。地図はガイドブックを参考にしてほしい。

旅行者の多くはサダルストリート(下の写真)界隈に宿をとる。昔は汚くて有名な通りだったが、最近は外国人が集まるちょっとおしゃれな通りとして知られつつある。といっても、知らない人が通りを歩けば、なんだこりゃ、と思うぐらいの汚い道だ。

このサダルストリート周辺に安宿が集まっている。数はたくさんあるが、どれも料金の割りに部屋はぼろい。たいがいは古く、またメンテナンスも悪い。期待しないのが一番か。

サダルストリートから表通りに出るとそこはチョウロンギー通り。カルカッタの目抜き通りだ。角にインド博物館があり、疲れたときにおすすめ。

 
 
 
チョウロンギー(上の写真)をまず北に向かう。途中、カルカッタ最高級のオベロイホテルなどを通るが、目の前の路上には露店が並ぶ。さらにしばらく歩くと右手に小さなモスクが見えてくる。ティプ・スルタン・モスクである。ここで、右にゆるくカーブしていくチョウロンギーを離れ、人並みとともに、すぐ左の比較的大きな通りをまっすぐ北へと歩く。市電も走っているから分かりやすい。地図上では、カルカッタを代表するモスクであるナコーダモスクへと通じる道だ。

このあたりからイスラム教徒が増えてくる。ゴチャゴチャした道をずっと歩いていくと、右手にナコーダモスク。ラマダン月のイスラム礼拝の写真もこの周辺で撮影したものである。興味があるなら、東西に走る通りをうろつくのもおもしろい。 ナコーダモスクを越えると、いよいよカルカッタの大動脈マハトマガンディーロードである。

余談だが、 もっと遠回りしてマハトマガンディーロードを目指す方法もある。さきほどのティプ・スルタン・モスクあたりから、東へと歩いてシアルダー駅を目指す。大通りだけではつまらないから、少し小さな道を歩いても構わないが、人通りがあり、両側に店があるのが条件である。路地はちょっと怖い。

シアルダー駅周辺もまた、ぐちゃぐちゃしたバザールがひろがっている。少し田舎町風であるが、マハトマガンディーロードはここが東の出発点となる。ここからマハトマガンディーロードを北西へとたどる。約20分ほどで中心街にいたる。
 
 
 
 
 
そしてマハトマガンディーロード(上の写真)。好きなような歩けばいいのだが、歩いたからといって楽しくなるような道ではない。周辺は卸し問屋や小売店がならぶ路地がいくつもある。場末といった雰囲気だがべつに治安は悪くない。スリはいるかもしれないが…。

歩いて楽しいのは、どちらかといえばマハトマガンディーロードの南側の路地。服屋などもあり、ときどき声をかけてくる。北側もしばらくは賑やかな通りが続き、巨大な野菜市場などもあるが、さらに北上すると急激に寂れていく。

ちなみにマハトマガンディーロード自体も外人の姿はほとんど皆無である。たまに見かけるのはなぜかバックパックを背負った人々。彼らは地下鉄で近くまで来て、ここからハウラー駅を目指す人々である。地図だけ見てやってきたのだろうが、まさかこんなにひどい通りだとは思わなかっただろう。地下鉄の駅から、ハウラー橋を越えてハウラー駅まで行くには、歩いて20分以上の距離である。
 
 
マハトマガンディーロードをうろついているうち、気が付けば夕方。疲れるが、歩いて帰るのが楽しい。帰りは、川に近いあたりから、ダルハウジー広場周辺を歩いて帰る。この辺ももちろんバザールが続くが、一応はカルカッタの官庁街となる。そんな雰囲気はあまりないが、歩く人を見ると、スーツ姿も結構目につく。

帰りに夕暮れの川を見るのも風情がある。ダルハウジー広場の裏側にミレニアムパークという名前の公園がある。安いが一応有料。夕暮れを楽しむ家族連れやカップルで賑わうが、こういう幸せそうな場所が苦手というなら、ハウラー橋近くのガートもある。

ダルハウジー広場周辺は屋台が多い。マハトマガンディーロード近くに比べると品数も多く、味も悪くない。さすが官庁街、といったところか。
 
 
 
ダルハウジーからゆっくり南下してくると、例のモイダン公園である。今はないかもしれないが、入り口近くにあのネズミ穴があった。そこでネズミの観察をしたあと、公園内で手相見などをする香具師のとなりを通り、公園を斜めに横断すると、出発地点であるチョウロンギーに戻ってくる。ゆっくり歩いて半日コース。

カルカッタ滞在中は二日に一回は上記のコースを歩いていた。もちろんまったく同じというわけではなく、さまざまなバリエーションを加えながらである。しかし毎日歩くのはやはり疲れる。そういう時は南のカーリー寺院(ガンジス川巡礼案内誌に紹介しています…準備中)に行ったり、日曜日はモイダン公園で過ごしたり、夕方だけ近くをぶらついたりした。

下の写真はサダルストリートの東側、マザーテレサの施設として有名なマザーハウス方面へ抜けていく道である。イスラム教徒が多く、雰囲気はまさしく場末である。商店のある通りはいいとしても、裏路地はちょっと怖い。適当にぶらつくのが無難か。
 
 
 
そしてカルカッタに夕暮れがやってくる。街に小さな灯かりがともりはじめ、街灯が黄色い光で街を照らす。空を見れば、今日も真っ赤な夕暮れ。こうして、カルカッタでの一日が終わりを告げる。
 
 
 
 



(C)shibata tetsuyuki since2007 All rights reserved.
全ての写真とテキストの著作権は柴田徹之に帰属しています。
許可なく使用および転載することは禁止です。ご留意ください。