カルカッタの主役は「俺たち人間」

 
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カルカッタの主役たち
 
 
 

カルカッタの主役、それはいうまでもなく人間である。このせまくて汚い街に一千万人以上の人々が暮らしている。昔に比べればだいぶマシになったようだが、街は今も混沌としていて、いかにも人間臭い。それが魅力ともいえるのだが…。

カルカッタにはのべ二ヶ月ほど滞在した。写真もたくさん撮ったが、なぜこの街で写真を撮っていたのかが今もってよく分からない。長く滞在して楽しくなるような街ではないし、散歩に出ればあっという間に群衆の渦に巻き込まれる。滞在中はいつも心のどこかで、早く逃げ出したい、と思っていた。

とりたてて「人間好き」というわけでなくとも、この街で撮るのは結局人間、ということになってしまう。

「俺たちのカルカッタ」というタイトルにたいした意味はない。撮りためた写真を見ていると、ふとそんな言葉が思い浮かんだ。混沌としたこんな街であっても、そこに住む人間は何かしらの夢を持ち、楽しみを持ち、そして誇りを持って生きているんだな〜という姿を紹介していきたい。

下のサラリーマン、おもちゃの望遠鏡を手に楽しそう。

 
 
 
 
 
上の男、カルカッタっ子らしい、いかにもおせっかいな雰囲気がよく出ている。デリーではあまりみかけない顔だ。
 
 
 
 
高いところから写真を撮ろうと思って、汚いビルに紛れ込んでしまった。当たり前だが、そこにも人は普通にいる。
 
 
 
 
 
上の男は時計修理を仕事にしている。街の一角で来る日も来る日も持ち込まれた時計を分解しては組み立てなおす。

下は乞食の母娘。べつに乞食の悲惨さを撮ろうとしたわけではない。自然とこぼれた笑顔に反応したまでのこと。
 
 
 
 
ビハールからの出稼ぎ。ビハールとはカルカッタのあるウエストベンガル州のとなりの州。ひどく貧しいため、カルカッタへと出稼ぎにいくのだが、多くは帰ることさえできずにそのままカルカッタに住み着いてしまう。
 
 



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