カルカッタの主役、それはいうまでもなく人間である。このせまくて汚い街に一千万人以上の人々が暮らしている。昔に比べればだいぶマシになったようだが、街は今も混沌としていて、いかにも人間臭い。それが魅力ともいえるのだが…。
カルカッタにはのべ二ヶ月ほど滞在した。写真もたくさん撮ったが、なぜこの街で写真を撮っていたのかが今もってよく分からない。長く滞在して楽しくなるような街ではないし、散歩に出ればあっという間に群衆の渦に巻き込まれる。滞在中はいつも心のどこかで、早く逃げ出したい、と思っていた。
とりたてて「人間好き」というわけでなくとも、この街で撮るのは結局人間、ということになってしまう。
「俺たちのカルカッタ」というタイトルにたいした意味はない。撮りためた写真を見ていると、ふとそんな言葉が思い浮かんだ。混沌としたこんな街であっても、そこに住む人間は何かしらの夢を持ち、楽しみを持ち、そして誇りを持って生きているんだな〜という姿を紹介していきたい。
下のサラリーマン、おもちゃの望遠鏡を手に楽しそう。
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