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バーダーミとパッタダカル

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デカン高原南部の田園地帯にひらけた田舎町バーダーミ。一見、何の変哲もないような場所だが、静かな旧市街を抜けると、目の前に周囲1キロほどの池があらわれる。その周囲にはいくつかの岩山がたたずみ、周辺にいくつもの遺跡が点在している。

それらの遺跡は6世紀から8世紀に前期チャルキヤ朝によって建造されたものだ。エローラに影響を与えたという石窟寺院もある。小規模ながらも、自然との調和を保った遺跡群からは、非常に好ましい印象を受ける。とくに夕陽を浴びて岩山や遺跡が光り輝く時間にこの地を訪れれば、インドの村が持つ平和な時間をゆっくりと堪能することができるだろう。

バーダーミが平和である一つの理由は観光客の少なさである。遺跡自体が少し地味である上に、大都市からの交通が不便である、といったことも観光客の少なさに大きく影響している。バーダーミがいつまでも平和であるのに越したことはないが、もしハンピを訪れる機会があるなら、少し足をのばしてバーダーミを訪れることをおすすめする。ハンピ近くのホスペットからバスで約4時間の距離である。バーダーミには必要十分な宿もいくつかある。また、世界遺産にも指定されたパッタダカルや、さらに北のアイホーレといった遺跡への基点ともなる。両遺跡にはバーダーミからタクシーかオートリクシャをチャーターして日帰りするのが便利だ。

パッタダカルとアイホーレに関しては下に紹介した。


世界遺産にも指定されたパッタダカルの寺院は、素朴な石積みの比較的小さな建物である。建造は7世紀から8世紀。バーダーミ同様、前期チャルキヤ朝によるものである(1987年世界文化遺産指定)。

パッタダカルの建築はタミル地方のマハーバリプラムやカンチープラムとよく似たスタイルを持っている。当時のマハーバリプラムはパッラヴァ朝の治世にあったが、パッタダカルをおさめた前期チャルキヤ朝はまさにそのライバルでもあった。ただし、建築的には同じ土壌を持っていたような印象を受ける。

パッタダカルの建築は、南方型、北方型などの建築様式が混在しているようだが、撮影当時、私はまだ、それほどの興味を持っていなかったことなどから、意識して撮り分けるような工夫をしてこなかった。また、写真を見れば分かるように、なぜか写真自体の色あいがおかしい。どうやら、節約しようとして買った安く性能の悪いフィルム(一応ポジフィルムだったが)とPLフィルターとの相性が悪かったようである。バーダーミを含めて、また取り直すことができたら、と思っているのだが…。


下の写真はパッタダカルの北、アイホーレのドゥルガー寺院。7世紀末の建造。丸い本堂のスタイルが何となくユーモアがある。アイホーレにはほかにもさまざまな建築があるが、撮影当時は事前調査と時間が完全に不足していた。



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