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ハンピ(カルナータカ州)

インドで最も美しく、そして奇妙な場所の一つがここハンピである。

風景はインドというよりアフリカを思わせる。大地を埋め尽くす岩だらけの風景と、岩がない場所に生い茂る緑の森のコントラストが新鮮である。夕暮れなどにぶらぶら歩いていると、恐竜でも登場しそうな感じだ。怪鳥の鳴き声なんかを聞きながら散歩するのが非常に楽しい。

ハンピには数多くの遺跡がある。その多くは見る影もなく破壊されている。この地には14世紀から16世紀にかけて、南インド一帯を支配するヴィジャヤナガル王国の都があった。王国は最後にはイスラム勢力によって滅ぼされたが、最盛期にはこの都に50万人もの人が暮らしていたという。この岩だらけの大地のどこにどうやってそれだけの人々が暮らしていたのか、不思議な気がする。

それにしても、ヴィジャヤナガル王朝はどうしてこの地に都を作っただろう?この土地を難攻不落の城塞に見立てたのかもしれないが、それにしてもここは僻地でもあるし、地形はあまりに複雑怪奇、…思うに、王様はこの大地の不思議な景観に魅了されてしまったのではないか。

神秘的な雰囲気が魅力のハンピではあるが、イスラム勢力によるハンピ攻略は猛烈に激しいものであったらしい。ロンリープラネットによると、50万人もの人々が惨殺されたという説もあるという。まさに根絶やしであり、ハンピは完全に滅亡した。人の絶えてしまった都が観光地として脚光を浴びるようになったのは実は最近のことである。


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